二色成形金型の設計・製造
異なる二色の樹脂材料を同一金型内または連続的な工程で成形し、
1つの製品として仕上げる金型です。
ボタンやグリップ部など、機能性とデザイン性の両方が求められる製品に多く使われます。
組立レスによる生産効率向上や、意匠性の向上を実現できます。

二色成形を実現させるための金型精度
二色成形を実現する金型は、通常の単色成形金型と異なり、可動側(コア)と固定側(キャビティ)がそれぞれ2個ずつ必要となります。
2面/1セットの金型構成となっており、成形サイクルにおいては、最初に成形した樹脂部品を金型内で位置移動させ、次工程の樹脂を正確に重ね合わせる必要があります。そのため、コアとキャビティの位置合わせ精度が極めて重要であり、わずかなズレでも外観不良や寸法不良につながります。
平和金型では特に自動車・化粧品などの外観品質が問われる樹脂成形品の金型製造実績が豊富にあり、
こうした二色成形を実現させるための高精度な加工ノウハウを有しております。
射出成形金型の設計・製造は平和金型へ
一般的な射出成形金型を含め、多様な種類の金型製造を承っております
インモールド成形金型

インサート/フィルムインサート成形金型

※右図はイメージ画像です
モーターラック金型
(ネジ形状成形金型)

二色成形金型

※イメージ画像です
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二色成形金型の代表的な方式
二色成形金型にはいくつかの方式がありますが、代表的なのは「回転方式」と「スライド方式」です。
回転方式
1色目を成形した後、その成形体を金型内で回転盤や回転機構によって反転・移動させ、次のキャビティに位置決めして2色目の樹脂を射出する方式です。
高い位置合わせ精度を確保しやすく、また工程の流れがシンプルなため、大量生産に向いているのが大きなメリットです。
スイッチ類や家電部品など、数十万~数百万ショット規模の量産品に広く採用されています。
ただし、金型構造や成形機構が複雑になるため、初期投資が比較的高額になる点には留意が必要です。
スライド方式
成形サイクルの中でコアやキャビティそのものをスライドさせ、2色目の射出位置に合わせる方式です。製品の形状やゲート位置に柔軟に対応できるため、
複雑形状の製品や特殊な意匠面に適しています。例えば、段差を持つ部品や意匠面と機能面が分かれているような製品では効果的です。
反面、機構が増えるためメンテナンス性に注意が必要であり、回転方式に比べてサイクルタイムが長くなる傾向があります。
二色成形品の採用が増えている分野
二色成形は、外観性+機能性を同時に求められる分野で特に活用が進んでいます。
- 自動車内装部品(操作ノブ・パネルなど)
- 家電製品(リモコン、スイッチ部品)
- 医療機器(グリップ、操作部)
二色成形のメリットと注意点
メリット
- 異素材の組み合わせによる機能性向上(例:硬質+軟質の組み合わせ)
- 組立レスによる工程削減
注意点
- 金型費用は単色成形より高額
- 成形機も二色対応仕様が必要